パスタの街「高崎」で作られる生パスタブランド『JAPASTALIA(ジャパスタリア)』

古くから小麦文化が根付き、米作の裏作として小麦が盛んに栽培された群馬県。いまなお、小麦の一大産地である群馬県では、朝食、昼食、夕飯と、小麦は県民の生活を支え、うどん文化、麺文化の栄えた土壌をつくった。
とりわけ高崎は戦後、パスタの名店シャンゴが牽引役として多くのパスタ店舗が並び、パスタの料理コンテストも開催されるなど、独自のパスタ文化が注目を集めてきた。

では、「古くから小麦文化が根付き、小麦の栽培が盛んな群馬県。そこで食べられるパスタは、当然群馬県産小麦によるものであろう。」そう考える方もいらっしゃるのではないだろうか。
実は、これは最近の話であることをご存知だろうか。

当初、群馬県内で提供されるパスタに使われた小麦は輸入品が多かった。そこへ登場したのが、『吉田製麺』が仕掛け、高崎産小麦「きぬの波」が100%使用された正真正銘の県産小麦を活かした高崎生パスタブランド「ジャパスタリア」だ。

今回、GOOR*ではパスタの街「高崎市」を盛り上げる『吉田製麺』代表 吉田幸二氏にお話を伺い、街の文化として定着しつつあるパスタへの想いに迫った。

取材・文:島方、吉田、木戸口

高崎生パスタブランド「ジャパスタリア」

ジャパスタリアとは。

生パスタのブランド名は「ジャパスタリア」。ジャパンとパスタ、そしてイタリアを合わせた造語となっている。高崎市鞘町に製麺所を構える『吉田製麺』が製造している生パスタブランドだ。

パスタ原料の小麦は、元々うどん用に開発され、群馬県高崎市が生産地である「きぬの波」が使われた正真正銘の地場産生パスタ。

「ジャパスタリア」は2015年、『吉田製麺』が開発を開始。発端は、同社代表の吉田氏が知人に“パスタの街をうたう高崎市内のイタリアンレストランでも高崎産の小麦粉で作ったパスタを使っていない”と聞いた事だった。

パスタの製造は、国内の企業であっても輸入の硬質小麦を使うことが一般的となっている。

「ジャパスタリア」のパスタはもっちりした食感が大きな魅力。他にも、小麦粉の香りがしっかりと感じられること。乾麺に比べて茹で時間が掛からないことが挙げられる。
ジャパスタリアの生パスタは小麦だけでなく他の材料もこだわりがある。国産の卵に、沖縄の海水塩、きれいな水を使用。添加物は一切使用せずに作られた安心安全な生パスタとなっている。2017年に発売を開始すると利用する店舗は増え続けた。近年では、メディアでも大注目を集めるイベント「キングオブパスタ」参加店舗でも使用されている。

保存料は使わず、日持ちするのは製造から最大2週間程度。受注生産のスタイルで丁寧につくられる。
「ジャパスタリア」は、公式サイトにて、発注が可能となっている。

「吉田製麺」代表 吉田幸二氏へインタビュー取材。

(黒字:吉田幸二、青字:インタビュアー

では、はじめに、近年の高崎はパスタの街と呼ばれていたり、キングオブパスタも市民の間で定着したりとパスタが街の文化・特徴になりつつありますが、吉田さんはその点どのように感じていらっしゃいますか。

(パスタ文化が)広まってくれることは、とても追い風になるし、嬉しく思います。

吉田さんは、現在の「吉田製麺」創業以前から、パスタやその他麺類の製造業に携わっていらっしゃったのでしょうか。

全然。もともとは、IT関連の会社をやっていました。自分でシステムを開発して、販売していましたね。

なるほど。製麺業にシフトチェンジされたことにはどのような背景がありますか。

30代中盤になって、自分の会社が100年続く企業となるにはどうしたいいのかなって考えたんです。そこで、ITとモノの製造では、モノの製造の方が残りやすいのかなって。そこで自分が作ったブランドを育てていこうと思って、いろいろ探し始めましたね。

モノづくりからブランドを育てると決めて、そこからパスタに行き着いた経緯を教えていただきたいです。

ブランドとなるモノを探すため、たくさんのプロジェクトを考えて、周りの人に意見聞いてみて、その中で一番感触が良かったり、面白かったのが高崎産の小麦を使って、高崎の製麺所で生パスタを作る事だったからかな。

だって、“高崎はパスタの街です!”と言う割には、今まで高崎産のパスタは無かった。原材料の小麦だって生産されているにも関わらず。
ちょうど良く座れる椅子が空いてるのに、そこに座らないのはもったいない。それなら、自分が座ってしまおうと、そこからこの事業が始まりましたね。

なるほど。チャンスを逃さないというのは重要だったわけですね。とは言っても、異業種の分野、“地場産のパスタを開発する”ことに挑戦される不安を感じたりはしませんでしたか。

若い頃、イタリアを訪れた経験が活きたのかなと。

イタリアと言うとパスタの本場ですね。

イタリアで何を食べたいか聞かれて「パスタ食べたい。」と言うと、イタリアの人はすごく困ると思うよ。「え、どんなパスタ?」って、絶対に聞かれる。
それぐらい本場には、色々な種類のパスタがあるんです。
様々な種類のパスタや、本場イタリアに触れていた経験が、理想とする食感のパスタを探すことだったり、現在の事業に活きているのかなと思う。

では、今後の目標や展望があれば聞かせていただきたいのですが。

ジャパスタリアのパスタは、高崎産の小麦を使用した生パスタ。
これまでパスタといえば乾麺が主流なんだけど、乾麺より美味しい生パスタを作って、“パスタは生が当たり前”と言ってもらえるような世の中になれば良いなと思います。

ジャパスタリアのパスタは県外産の中力粉でも同じように作れる。高崎だけじゃなくて、日本中で地場産小麦を使った生パスタを作る動きが出来たら良いのかなと。国産小麦の付加価値が高まれば生産者にも大きなメリットがあるし、輸入物と置き換われば日本の食料自給率改善にも繋がってきますからね。

では最後に、先ほど若い頃の経験というお話が出ましたが、吉田さんの経験を通じて次世代の方たちへのアドバイスがあれば伺いたいです。

僕は旅行によく行くんだけど、ヨーロッパでは地続きなのに言葉が違ったり、パスポートが必要だったり、文化が全然違うことが新鮮でとても面白く感じる。

そういった経験が、何かを始める時に活きたりするんじゃないかな。

本日は貴重なお話ありがとう御座いました!

GOOR*フード特集記事に高崎生パスタ「ジャパスタリア」特集が公開中!

今回ご紹介した高崎生パスタ「ジャパスタリア」がGOOR*フード特集記事にて同時公開中!パスタの名店が集まりました。ぜひ併せてご覧ください!

GOOR*フード特集記事「JAPASTALIAがたべたい!」はこちらから!

https://群馬のとびら.com/food/

吉田製麺代表 吉田幸二氏監修の生パスタ調理はこちらをチェック!

ジャパスタリア公式サイトはこちらから!

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